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基本情報

虫歯の診断と予防

虫歯が早期に発見でき、痛みが出る前に治療を行えば、神経(歯髄)などが侵される危険性は低下します。治療自体も簡単な処置で済み、歯の組織を多く残すことができます。
大切なことは、早期予防・早期発見です。そのため歯科医院では問診や診察をし、X線検査などを行います。患者様の状態にもよりますが、6~12カ月に1回は、定期歯科健診を受けることが重要です。

虫歯の診断

虫歯を数値表示 歯面状態認識装置(虫歯診断装置)
初期の発生段階の虫歯を、レーザー光線で見つけられる装置です。視診・触診や、X線診断よりも高い確率で初期カリエスを見つけられます。特に発見困難とされる臼歯部裂溝(奥歯の溝)の診断などに有効とされ、患者様の虫歯リスクを考慮しながら、予防(再石灰化など)・処置・治療(最小限の切削) を行うことができます。
具体的な治療は、歯質に当てたレーザー光の反射を解析します。これを数値と音色に置きかえることで、歯質の変化を高精度で解析します。この装置はドイツで開発され、近年は国内の歯科医院でも普及し始めているようです。この虫歯診断装置を使うことで、早期発見が容易になり、予防治療への効果が大きく期待できます。

虫歯の予防

効果的なアプローチで虫歯予防
生活習慣を変えるのは大変なことです。虫歯になる原因を完全になくすのは、難しいこともあります。現実的には、各種予防法を行いながら、無理のないペースで改善していくことをお勧めします。

「歯磨き」で口の中を清潔に

口の中を常に清潔に保つためには、当たり前のことですが、朝食前後・昼食後・就寝前に、歯ブラシとフロスによる歯磨きを行う必要があります。
プラークをためないようにすれば、エナメル質の平滑な部分できる虫歯を効果的に予防できます。また、歯の咀嚼面・咬合面にもおいても虫歯ができにくくなります。
フロスなどは、歯ブラシの毛先では届かない歯と歯のすき間(歯の隣接面)などに掃除力を発揮します。
まずは歯と歯のすき間(隣接面)に入れて前後に動かします。そして歯茎のラインに沿って、歯と歯根面に巻きつけつつ上下に動かすと、効率よく汚れ(プラークや食べカス)を取り除くことができます。
なお、最近では電動歯ブラシ・超音波歯ブラシが開発されており、とても効果的な清掃になるとされます。
しかし普通の歯ブラシで丁寧に時間をかけ、正しい磨き方を行っていれば、十分に効果があります。

一回の歯磨きにかける効果的な時間は、約3分とされています。
いったんプラークが硬くなりはじめると、通常の歯磨きでは除去しづらくなります。この場合、歯科医院でのクリーニング(スケーリングやポリッシング)で頑固な汚れを除去していきます。
また歯並びが悪い部分・歯と歯が重なっている部分などは、正常な歯並びより虫歯になりやすい傾向があります。フロスなどをうまく使用して、綺麗な表面を保てるよう注意する必要があります。
こうした継続的なケアが虫歯の発生率を下げ、早期予防につながるとされています。

虫歯が進行しにくい食生活のポイント
  1. 間食などの回数を控える
    初期の虫歯は、唾液などによる再石灰化で自然に修復されます。
    しかし1日3食以外の間食が増えれば、この石灰化の修復が遅れます。すると脱灰が進み、虫歯の進行を後押ししてしまうのです。ダラダラと食べる習慣は改善し、規則正しい食事習慣を身につけるのが、虫歯予防の第一歩とされます。
  2. 就寝前の飲食は控える
    就寝直前の飲食では、唾液による自然修復が寝るまでに完了されません。さらに就寝中は、虫歯が最も進む時間帯です。(眠っている間は唾液があまり出ないためです)
    就寝前の飲食は、虫歯に格好のごちそうを残してしまうことになります。できるだけ控えましょう。
  3. 歯によくない食べもの
    炭水化物はもちろん、糖類も歯に悪影響を及ぼします。
    糖がプラークに付着・接触すると、ミュータンス菌という酸を作り出してしまいます。
    まずは糖と歯の接触時間の長さ、次に摂取した糖類の量が問題になります。
    糖類の摂取後は、うがいや歯磨きで清掃を行います。
    なお、人工甘味料などは虫歯の原因は少ないとされているようです。一方で炭酸飲料などに含まれている酸は、虫歯を進行させやすいようです。

その他効果的な虫歯予防

フッ素

フッ素には、エナメル質の酸への抵抗力を高める性質があり、虫歯発生を抑える効果があるとされています。フッ素は歯の成分のアパタイトを、フルオロアパタイトという成分に置き換えます。
※(フルオロアパタイトは結晶の整っていない部分を修復し、ハイドロキシアパタイトよりも水や酸に溶けにくく、安定した結晶)
フッ素はこの他にも、結晶構造の安定・虫歯菌の殺菌・歯の再石灰化を促進するとされています。
しかし。フッ素の使用に関しては賛否両論があります。
幼児期(歯の形成期)に過度のフッ素を摂取し続けると、(歯の形成期なため)歯が変色あるいはまだらに白濁する、フッ素症が起こります。
なおフッ素は歯にのみ応用し、可能な限り飲み込まないほうがいいとされます。

虫歯ができやすい年齢の場合、歯科医師がフッ素溶液を直接塗る予防治療も行われます。
ただしフッ素は低濃度の物を長時間口の中にとどめる事が最重要で、歯科医院での塗布はあまり推奨されないこともあります。
洗口法や、フッ素入り歯磨き粉の適正な使用の方が、より効果が高いともされています。
フッ素入り歯磨き粉・フッ素濃縮うがい液などは、成人にも虫歯予防の効果があるようです。

シーラント

虫歯の初発点となりやすい小窩裂溝(微細な溝)は、複雑な形をしているために歯ブラシの毛先が入りにくいことがあります。そのため毎日歯磨きをしていても虫歯になってしまうことがあります。
特に奥歯の溝のようにブラシが届きにくい箇所には、シーラントで溝を塞ぐことにより、虫歯予防に効果が生まれます。
シーラントは生えたての奥歯の虫歯予防には特に有効です。
具体的な治療では、まずシーラントを塗る前に歯面のクリーニングを行います。次にシーラント材が歯に接着しやすいように、エナメル質面に酸処理を加えます。
そうして(高い確率で虫歯の初発点となる)小窩裂溝の部分に、液状の歯科用レジンのシーラント材を入れていきます。このシーラントが固まり、微細な溝をふさぐことで、細菌や食べカスなどが溝の中へ侵入しなくなり、酸の発生も抑えられます。
シーラントは(個人差がありますが)数年単位で長もちするものとされています。
ただし、薄くできているので割れてしまうこともあります。もし割れたまま放置していたら、シーラントをしていない時よりも虫歯になりやすくなってしまうようです。
シーラントの処置時間は、約数十分程とされます。

抗菌治療

特に虫歯ができやすい人には、原因菌を抑えるための抗菌治療が必要となります。
まず虫歯に侵された部分をきちんと取り除き、虫歯の初発点となりやすい小窩裂溝(微細な溝)をふさぎます。その後、強力な抗菌効果があるうがい液を数週間使用して、歯に残った細菌を全滅させます。虫歯の原因菌が滅び、より無害な細菌が住むようになれば、虫歯になりにくい口内環境が出来上がります。

キシリトール

キシリトールは、プラークに住む細菌を抑える作用を持つ甘味料です、その安全性はWHO(世界保健機構)でも認められています。
キシリトールは、砂糖や一般的な代用甘味料と異なり、摂取することで虫歯の予防に効果が生まれます。(砂糖と較べた場合、カロリーは約25%も低いですが、糖度は変わらないとされます)
また、溶ける時に熱を吸収するため、清涼感もあります。
キシリトールは通常の糖分と違い、ミュータンス菌によって発酵することがなく、虫歯の元となる酸も発生しないとされています。ミュータンス菌が体内にキシリトールを取り込めば、菌のエネルギーを消耗し、活性が弱まるとも言われています。
キシリトールを長期間使用することで、ミュータンス菌の繁殖が弱まり、砂糖からも酸を生産しにくくなります。よってキシリトール製品(ガム、飴など幅広くあります)の摂取は、とても簡単な歯の予防といえます。


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